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富士ヒル2022 ゴールドまで39秒及ばなかった男のレースレポート

さて、39秒及ばすゴールドを逃すというとても悔しい結果に終わった富士ヒルですが、今後のためにもレースレポートを書いて振り返りをしていこうと思います。

とはいえ百聞は一見に如かず。

実は道中すべてでご一緒していたTakaさんが、レース動画をYoutubeにアップされているので、まずはそちらのご案内。


Takaさんご本人によるコメンタリー付きなので、とても分かりやすいです。

そして私もずっと映ってます。

ゴールドが取れるか、取れないか…そんなギリギリの状況がたっぷり65分続きます。

私たちにとっては地獄のような状況でしたが、視聴者には見どころ満載の動画になっていると思います。

ローラーのお供にでも、是非ご覧ください。

 

さて、私の振り返りは誠に勝手ながらこちらのキャプチャ画像を拝借しつつ行いたいと思います。

ではレッツゴー。

 

スタートは第3ウェーブの、中程から後方の位置でした。

この位置でのスタートになったのは、ウェーブの先頭は序盤強度の上げ下げが激しいと思ったのと、知り合いの面々も近くにいたからで、そこまでの強い意図はありません。

野良でも脚の合う人が合流してくれることを願いつつ、計測開始地点を通過しました。

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動画でTakaさんも指摘されていますが、スタート直後は比較的スローペースで入りました。

これは私のミスです。

スタートから積極的に前方に位置して、ペースコントロールをしようとしていました。

慌てずゆっくり上げていこう、と思っていました。

一人でゴールドは取れないので、出来るだけ強い仲間に残っていて欲しかったのです。

ただ、この時点では多少のロスはある程度想定していて、中盤から後半の緩斜面区間で平坦の強い人たちとで巻き返せると考えていました。

しかし、結果的にここでのタイムロスは最後まで響いてしまいました。

完全に私のミスです。

本当にみんなに申し訳ないと、猛省しています。

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料金所を通過してしばらくして、ペースが遅いと感じたTakaさんが前に出られて少し強度を上げ、以降トレインのタイムマネジメントをしてくれました。

このあたりでの私は、知らない野良の方が自分の前に入って、そこで中切れすることを一番恐れていたので、知らない人がトレインに入るのを見かけたら

「先頭交代に参加できますか?無理そうなら後ろに回ってもらってもいいですか?」

と声をかけてました。

テンションが上がっていたためか、ちょっとキツめの口調だったかもしれません。

なんとしてもゴールドを取りたかったのです。ごめんなさい。

挙句、Takaさんのお友達にも同じことを言ってしまいました。この後ずっとトレインを組むことになる、めちゃくちゃ強い方でした。

何て失礼なことを…。本当にすみません…。

ただ、そのおかげか、トレイン前方は知り合いの強い方だけで構成されました。

6~8人くらいで先頭を牽いていたと思います。

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序盤の遅れはあったものの、中盤まではいい感じで進行していました。

ロスしたタイムも徐々に取り戻せていました。

私の調子は結構良くて、苦しさはありましたがトレインのおかげで休める時間があり、先頭に出ても少し余力を感じられていました。

Takaさんがタイムマネジメントをしてくれるおかげで、脳にリソースを割く必要がなくなり、自転車を走らせることに全神経を集中できたおかげだと思います。

これならいけるぞ、と思っていました。

 

39分経過。

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先頭交代するタイミングでふと後方に目をやると、中切れが発生していました。

しかもかなり距離があり、ブリッジは無理そうに思えました。

残った人数は4人。

Takaさん達京都組3人と私。

私の練習仲間は全員中切れに巻き込まれていました。

ヤバイ、と思いました。

私を含め、全員が最後まで生き残れるとは思っていませんでしたが、この時間帯で、一気にこれほどの少人数になるとは想定外でした。

動画でも「ああ、切れた…マジか…」と呟いているのが分かります。

4人か、キツイな…とTakaさん。

しかし、もうどうにもなりません。

この4人で行くしかない!

 

ここから野良の方がトレインに入ってくれる可能性はかなり低いでしょう。

私たちはゴールドペースで走っており、後ろから追いついてこられるような人(ゴールドペース以上)がいることを期待することはできません。

また、この中盤以降で私たちが追いつけてしまう方が、このペースでトレインに入れることも考えにくい状況でした。

 

そういうこともあり、

もう一人も欠けてはいけない!

という暗黙の了解が4人にはありました。

タイムはギリギリ。これ以上人数が減ってしまったらゴールドは取れません。

全員で行こう!

と声を掛け合いました。

 

私はTakaさんとは昨年の富士ヒル試走などでお会いしてましたが、他のお二人との面識がありませんでした。

ですが、この極限の状況がなせる業なのか、この4人でゴールドを取るんだ!という仲間意識が急速に高まりました。

私はかろうじて余力があったので、少し強く踏むことを意識しました。

ゆっくり上げていくよ!と声をかけました。

 

48分ジャスト。大沢駐車場。

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全員が息を合わせた結果、ぎりぎりゴールドペースでここまで来られました。

4人しかいないのに、すごいぞ!と嬉しく思ったのをよく覚えています。

しかし、この大沢からはかなり強い向かい風が吹いてました。

この風が、ここまでペースを上げてきた4人に容赦なく襲いかかってきました。

せっかくの緩斜面区間も、速度を上げたくても上げられず、先頭交代の間隔も短くなっていました。

緩斜面が苦手な私にとって、一番苦しい時間帯でした。

最後まで保つだろうか…という不安が駆け巡りました。

少し悩んだ末、先頭交代を一度パスさせてもらい、休むことにしました。

自分がここで無理しては逆に迷惑がかかるかも、という思いもありました。

ですが、結果論になりますが、これは判断ミスでした。

地力はともかく、この日、この段階では、おそらく4人の中で私が一番調子がよかったと思います。

もっと自分を信じて、3人を引っ張っていくような気概を持つべきでした。

もういい加減に、俺は強いんだ、という自信を持たなければいけなかったのです。

 

60分ジャスト。奥庭駐車場通過。

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かなり厳しいタイムでしたが、ギリギリで踏みとどまっている、そんな状況でした。

まだいける!いけるんだ!と強く念じながらペダルを踏み続けました。

しかし、ここも相変わらずの強風で、私たちの心を折ろうと襲い掛かってきていました。

全員が満身創痍で、ともすれば一瞬で挫けそうです。

あと5分…、あと5分だけ死ぬ気で踏めばいいんだ。

このときのために、これまで練習してきたんじゃないか。

どれだけの時間を費やしてきたと思ってるんだ。

去年の悔しさを思い出せ。

またあんな思いをしたいのか。

そんなふうにして己を鼓舞するしか術がありませんでした。

 

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前の集団に追いつこう!

と、Takaさんが声を上げました。

ふと前方に意識を向けると、かなり大きな集団がいるのが分かりました。

これまでトレインと己だけに夢中で、全然気がついていませんでした。

いくよー!あげるよー!ついてきてー!とTakaさんが上がっていくのに、条件反射のようについていきました。

脚は乳酸でパンパンでしたが、雑巾を搾り上げるようにして、最後の力を振り絞りました。

 

無我夢中でしたが、集団にドッキングできました。

ああ、やっと少し休める。

ここで、少し気が緩んでしまいました。

数秒してから「あ、この集団遅い」と気がつきました。

冷静になってみれば、この終盤の平坦区間で追いつけてしまえるようなペースでいるわけですから、私たちが望んでいるような集団ではないのは明らかでした。

(この集団が悪いわけではありません、私が油断していたということです)

しかしタイミングが悪いことに、このすぐ後にはS字があります。

無理してこの集団を追い越すことで、S字で危ないことになりはしないか。

しかし行かないことにはゴールドはない。

どうする。どうする。

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本当に、本当に無駄な時間でした。

もうすでに、この時点でゴールドには届かないタイムでした。

おそらく最後のチャンスがあったのは、集団に追いついてすぐにこれをパスして、そのまま全力全開で駆け抜けることでした。

この段階で「休む」ということを考えてしまうなんて、あってはならないことです。

私は、自らの愚かさによってゴールドリングを取り逃がしてしまったのです。

 

ハッとして、ダンシングを始めましたが、もう後の祭りです。

最後のトンネルを抜けながら、後悔の念が押し寄せてきて、泣いてしまいました。

しかし、なぜか涙は出ません。

アー、アー、と言う声しか出ず、何ともみっともないダンシングでゴールラインを通過しました。

 

65:39

 

こうして私の富士ヒルは終わりました。

悔しさは数日経った今もずっとあります。

後悔もしてます。

反省点も盛りだくさんです。

ただ、充実感はあります。

試行錯誤しながらも自分でトレーニングプランを構築し、富士ヒルまで積み上げてきました。

食事、睡眠にも気を配りました。

自己流ではありますが、強くなる方法を見つけられたと思います。

また、トレインを組んで積極的に先頭を牽き、果敢にゴールドリングに挑み、そして届きそうなタイムを出せたことで、少し自信がつきました。

また、後半からの4人トレインは、貴重な体験になりました。

 

今回得た経験と反省点を踏まえ、また来年の富士ヒルに挑もうと思います。

来年はゴールドリングを取れる。

そう確信しています。

 

おわり。